安物のデザイン

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バラして修理しながらだましだまし使っていたアイロンが、スチームが出たり出なかったりとかなりムラがでてきて、いよいよ調子が悪くなってきました.
そこで、新しいものを買おうと大きな電気屋に行ってアイロンを見ましたが、どれもげんなりするようなデザインばっかりでよっぽどそのまま帰ろうかと思いました.まあ、機能商品なので欲しい機能と許せるデザインと価格で折り合いが合うのを買いました.(それでも、ピンク色しか選べない、、、、)

帰ってから、デザインをチェックしながら使ってみました.しかし一応国産の有名メーカーのものですが、アイロンなどはもう主力商品じゃないので、品ぞろえもデザインもかなりおざなりな印象です.
コードレスなので台に戻して充電する際は、スチームの機能を切らないいけません.本体には2つボタンがあり、その片方は押すとその時だけ強いスチームが出るもので、もう一つはスチームとドライの切り替えボタンになっていますが、ボタンを戻したときにスチームの状態になって、押すとドライの状態になってしまいます.ボタンは2つ並んでいるので、かなり慣れないと操作は難しそうです.
また、水を入れるタンクを取り外しできるようになっていますが、その形状もデザイナーの側面図のスケッチを優先させたのか、分割も変なラインになっていて、タンクを外した際に妙に薄いパーツが伸びていてかなりアンバランスです.そのタンクも熱くなっている部分に近い割には、持ちやすさを全く考慮していない形状で、水を捨てたりつぎ足したりする際に非常に神経質な作業を強要されます.

たしかに、家電メーカーにとってアイロンはコモディティ化した最たる商品で、戦略的には重要でないのはよく解ります.ただ、それはデザインの戦略には当てはまらないはずです.
このような商品はもう頻繁にモデルチェンジをする必要がなく、一回生産すればかなり長い間そのデザインを使い続けないといけません.当然、露出期間も長くなるはずで、その分デザインも気をつけないといけないはずです.また、アイロンなんて数年で買い替えるものではないので、使う人は結構長く使うものです.
そういう、商品の戦略とデザインの戦略を殆ど考えないまま、安易な安物のデザインをしているメーカーのセンスは疑問です.
売る為に店頭映えのするピンクは許すから、もっと丁寧なデザインをして欲しいものです.ホント.