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デザインを教える立場

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ここのところ、いくつかの大学でデザイン系の授業を掛け持ちで教えさせていただいています.
というか、そのウエイトがかなり高くなってしまっています.

その中でも、大学によって私の役割は違い
1.プロパーの先生に近い位置で基礎的なデザインスキルを教える
2.プロパーの代わりとして総合的な力をつけさせる
3.プロフェッショナルとして、ある方面に特化したデザインを教える
となっていて、授業を組み立てる際もその辺を考慮して組み立てています.

大学で教えるには中学高校の様に教員免許も必要なく、大学側が必要だと認めた人が教える事が出来ます.
その中でも非常勤の場合は3.の意味合いが強く、教えるスキルよりも「今の現場の最新の空気」を伝える事が重要になりますし、1.の場合は旧来の学校的な基礎の組立が重要になります.
そういう意味で、今、ドタバタと春からの授業の計画を制作していますが、立場の違いをどれだけ出せるかを探りながらの作業になっています.
ホント、教える事はデザインする事にとても近い作業です.

卒業

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教えに行っている大学の卒業式+謝恩会へ行ってきました.
女子は振り袖が多いのですが、普段着慣れていないため、しぐさで殆どヤクザの姉御に見えるのはご愛嬌.


最近、カウンセリングを中心とした心理学者であるC.ロジャーズの本を読んでいますが、教える事(teaching)と学ぶ事(learning)に関して深く掘り下げてあります.
教える事の出来るものはそう大事な事柄ではなく、自ら学ぶ事によってのみ学習の効果が上がり、その促進の為の役割=ファシリテーションの重要性に関心を寄せていました.

彼らに対して学習の促進が出来たかどうかは解りませんが、一つ確実なのは、学ぶ事を促進する事=その促進者も学ぶ事であることでした.
そういう意味では、彼らに私が色々と教えてもらいました.

安物のデザイン

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バラして修理しながらだましだまし使っていたアイロンが、スチームが出たり出なかったりとかなりムラがでてきて、いよいよ調子が悪くなってきました.
そこで、新しいものを買おうと大きな電気屋に行ってアイロンを見ましたが、どれもげんなりするようなデザインばっかりでよっぽどそのまま帰ろうかと思いました.まあ、機能商品なので欲しい機能と許せるデザインと価格で折り合いが合うのを買いました.(それでも、ピンク色しか選べない、、、、)

帰ってから、デザインをチェックしながら使ってみました.しかし一応国産の有名メーカーのものですが、アイロンなどはもう主力商品じゃないので、品ぞろえもデザインもかなりおざなりな印象です.
コードレスなので台に戻して充電する際は、スチームの機能を切らないいけません.本体には2つボタンがあり、その片方は押すとその時だけ強いスチームが出るもので、もう一つはスチームとドライの切り替えボタンになっていますが、ボタンを戻したときにスチームの状態になって、押すとドライの状態になってしまいます.ボタンは2つ並んでいるので、かなり慣れないと操作は難しそうです.
また、水を入れるタンクを取り外しできるようになっていますが、その形状もデザイナーの側面図のスケッチを優先させたのか、分割も変なラインになっていて、タンクを外した際に妙に薄いパーツが伸びていてかなりアンバランスです.そのタンクも熱くなっている部分に近い割には、持ちやすさを全く考慮していない形状で、水を捨てたりつぎ足したりする際に非常に神経質な作業を強要されます.

たしかに、家電メーカーにとってアイロンはコモディティ化した最たる商品で、戦略的には重要でないのはよく解ります.ただ、それはデザインの戦略には当てはまらないはずです.
このような商品はもう頻繁にモデルチェンジをする必要がなく、一回生産すればかなり長い間そのデザインを使い続けないといけません.当然、露出期間も長くなるはずで、その分デザインも気をつけないといけないはずです.また、アイロンなんて数年で買い替えるものではないので、使う人は結構長く使うものです.
そういう、商品の戦略とデザインの戦略を殆ど考えないまま、安易な安物のデザインをしているメーカーのセンスは疑問です.
売る為に店頭映えのするピンクは許すから、もっと丁寧なデザインをして欲しいものです.ホント.

売れてます?

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AkanbeジャパンデザインネットのオンラインショップであるcainaのMono Reportに取り上げて頂きました.
発売が決まってから雑貨屋を廻って気付いたのですが、店舗が狭い所が多い印象があります.体積あたりの単価が低いAkanbeはお店側にとっては扱いにくい商品なのかもしれないと、ミョーに不安になっていたので宣伝モードです.

モノは当然最終ユーザーのお客さんに向き合って作らないといけないのですが、流通に関わる人も「お客さん」の一部だったりします.家電業界は流通の方ばかり向いて商品を作っていて色々と弊害が言われていますが、全く考えないのも当然ダメでそのさじ加減が難しい所です.まあ、どんだけ扱いにくくても魅力のある商品にすれば良いのでしょうけど、、、.

目指せ!型投資回収!

クリエィティブ関連の仕事の生産性

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今日は、報告書の類いや来期の書類、細々としたメールの返事などであっという間に夕方になりました.(胴体着陸もみてました.あれはプロの仕事ですよね.)
デザインなどのクリエィティブ系といわれる仕事の、資本は時間だと思います.よく工場などで製品の原価率等を計算しますが、デザインの場合は時間をどれだけ「デザインを考える」事に使ったか?の割合で仕事の生産性が考えられる様な気がします.よく良いアイディアを風呂の中でひらめく、という話がありますが、基本的にそのことについて深く考えているから思いつくのであって、そうでなければ中々良いアイディアは浮かびません.そういう意味で、時間を資本として仕事の効率を測れるような気がします.

フリーランスでもインハウスでも、デザイナーの仕事は
1.純粋にデザインを考える仕事:スケッチやモデルなどで考えながらカタチを作っている時間
2.デザインを考える為に直接補助になる仕事:人に見せる為のスケッチや図面の作成、雑誌などでの資料集め、打ち合わせなど
3.デザインには関係ないけど仕事を回す為に必要な仕事:確定申告、役所等への書類の作成などなど
の3つに大きく分けられると思います.

この中で、3.の時間はデザインとは直接関係ないので解りやすいのですが、純粋にクリエィティブな作業である1.とその補助である2.の関係は意外とあいまいかもしれません.
柳宋理の本を読んでいると「人に見せる為の絵は描いちゃダメだ」というコメントがありましたが、彼の仕事はとにかく愚直に1.の仕事をすることで、聞いた話だと延々と石膏のモデルを削っているそうです.

そういう仕事の「原価率」も意識しないといけないとおもいつつ、夕暮れをぼんやり眺めていました.(これも2.の時間?)

つかみはOK

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夕方から買い物ついでに祇園の円山公園へ.
花灯路のイベントの一環として、学生の照明のインスタレーションの展示をしています.点灯前に全体を見に行ってきました.

オレンジを輪切りにしたものを乾燥させてランプシェードにした作品です.
これは学生の自主的に計画するもので、工房内に網を広げてオレンジを乾燥させていました.食べ物を素材に使うのはいかがなものかと思っていましたが、インパクトは強く、とりあえずツカミはOKという所です.周りで見ている人の中でも、とりあえず注目度は高かったようです.
ここから、より深く掘り下げていってくれれば、良い方向に向かうのですけど.

日吉

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昨日は清水焼の古い窯元へ.
色々とお話をお伺いしましたが、洋皿への対応、柄の現代的なアレンジ、サイトの構築など考えられる所はかなり考えて動かれている様子です.それでも予想ほどは効果がなく、また模索中とのことでした.

行っている施策は悪くなく、それでも地盤沈下が避けられないのは構造的な問題が大きいからなのでしょう.より引いた目で構造を変えていく事が必要ですが、具体的にアクションを起こそうとすると今の事業やリスク、資本などさまざまな制約条件があります.
そういう具体的な動きとしてのデザインマネジメントが必要になるのでしょう.

雪国

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乗っている路線や場所は違うけど、国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国でした.
聞くと昨日からの雪だそうで、今シーズンでは最もまともな雪だそうです.

打ち合わせの後、取材で製紙所にてお話を伺いしました.
秋のイベントに関するもので、越前よりでた天皇の即位1500年を記念したものです.
その方によると元々この地方は、大陸より当時の最先端の技術が色々と入ってきており、この地は陶器、鋳物、織物、製紙など産業の一大集積地だったのではないか、とのこと.
なのでこのイベントを単なる打ち上げ花火にするのではなく、地方のものづくりの起爆剤になる様にしたいとして、「ものづかい」をキーワードにして色々企画されていました.
和紙は4世紀頃に日本に伝えられたといわれ、元々楮の繊維で出来た布が起源と言われています.そこから時代時代に改良が加えられていき、鳥の子や檀紙などが生まれてきました.
現在、越前で作られている和紙も9割程が大正や昭和の時代に開発されたものだそうで、同じ和紙といってもどんどん使いながら変わってきているそうです.
そのように、単に古い技術を守るだけではなくその物をいかに「よく使う」かによって、物づくりがさらに良くなってくる、というのがその方の意見でした.
流れの早い川の水は澄んでいますが、淀んだ水は濁ってくるということでしょうか.
単に作りっぱなしではない、攻めの伝統産業の姿勢が出てくれば面白いと思います.

お話をおうかがいした後ろの本棚には、日本書紀や徒然草など古今問わず有名な書物のレプリカがありました.全てこちらの製紙所でレプリカ用の紙を漉いたそうで、研究者もまず見れないそれぞれの原本を間近で観察して研究したそうです.ううむ.


図書館

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午前中の打ち合わせと午後の打ち合わせの時間が空いていたので、たまたま打ち合わせの場所の近くにあった大学の図書館へ行きました.
色々調べ物して、コピーをとって、学食でお昼を食べて、海外の雑誌を見て、etcetc,,,.

大学の図書館は一般にも開放している所が多く、専門的な図書も多いので意外と穴場で便利です.
特に海外のデザイン雑誌は、中々本屋にも無いのでかなり貴重です.
たまたま、調べ物したいものがあったから行きましたが、これからは定期的に通うようにしたいと思います.

写真は大学で飼っているキジ.侵入者にエサを横取りされているのを暢気に眺めています.

姪が生まれました

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弟に娘が生まれたので、早速会いに.
着いた時には泣き疲れたようで、スヤスヤ眠っていました.

最近は少子化といわれますが、知り合い関係では出産ラッシュであちこちでおめでたい話を聞きます.
聞くと最近は赤ちゃん向けに、トイザラスの赤ちゃん版のベビーザラスも多いそうです.

地方の伝統工芸では、後継者が居なくて技術が途絶える例も実際耳にします.
それは単に人がいないだけではなく、その仕事をしていても儲からないのでその伝統工芸で食べる事が出来ずにすたれていくようです.(今年度アドバイスしていた産地も、まさにそんな状況でした)
子供が増えるだけではなく良い環境を作らないとダメだし、それは2~3ねんで簡単に出来るものでもありません.