Bランク、Cランク…商品のランク付けから見えてくること

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「B,Cランクの商品の手配発注(在庫切れ故の発注)が起きないようにしよう」
「BランクCランクの商品を中心に棚卸し作業を実施して在庫管理を強化しよう」

これはどちらも、企業支援の現場で最近あった、現場担当者たちの発言だ。
(ちなみに、2つの発言は、全く別の企業、別の場所で聞いたのものである。)

どちらも、当事者たちは、自社内で起きている課題を解決し、業務を改善したり効率化するために、一生懸命考えて発言している。

でも、ちょっと待てよ。何か変だぞ。
(私は、どこか納得できない。) 「BランクCランクの商品って、どういうものなんですか?」と、私は聞いてみる。

「それは、Aランク商品ほどは出ない(売れない)けど、うちのメインの商品です。」
「Aランク商品ほど毎日は動かないけれど、そこそこ注文が多いので、重点的に管理する必要がある商品です。」

「だったら、そのランクは、社内で誰がどんなルールで決めているの? ランクの見直し・変更は、毎月するの? それともずっと(例えば一年間)固定なの?」
「そもそも、商品ランクって商品データベースに登録されているランクのこと?それとも別の概念なの?」

問題を整理するために、私はそんな質問を続ける。

そこから見えてきたことは、

・商品データベースには、個々の商品ごとに商品ランクが定められているが、今話題にしているBランクCランクは、そのランクのことではなく、物流倉庫の担当者が、月々の出荷数(売上数)などのレポートを見て判断し、毎月変更しているものである。(ランクごとに、作業しやすい場所に商品を移動するため)

・営業担当者たちは、そうとは知らずに、商品データベースのランクは販売戦略上、決められたものだと思って使っている。

・そもそも、社内で統一された商品ランクの基準はなく、なんとなく皆がそう呼んでいるだけ

などと言う、様々な現象だ。

複数の企業の事例を統合して、少し手を加えて抽象的な表現で整理して見ると、

●自分の部署の仕事のために、通称としてBランクCランクと呼んでいるだけ
●自社の重要商品という意味での商品ランクなのか、在庫量の多少という意味でのランクなのか不明
 (社内での共通認識ができていない)
●そもそも社内で統一された商品ランクの定義など存在しない

と言った具合である。

何千何万という大量のアイテム数の商品を、効率的に管理しようとランク付けすることは、あながち間違ってはいないと思うが、ここに書いたような(客観的に見るとちょっと変じゃない?という)現象が起きているのは、決して上に挙げた企業に限ったことではない。多くの企業が陥りやすい罠だ。

罠に陥らないためには、、
① 全社的な視点(全体最適の視点)で目標とルールを定めること。

② ①で決めた目標とルールは、必ず守ること。
   (担当部署だけのローカルルールや、担当者独自の勝手な判断を優先させないこと)

特に、①の内容の良し悪しよりも、②の全社を挙げて守れるかどうかという運用が、成否を分けることになる。
そして、②のためには、①の目標やルールが何故必要なのか、みんなが納得できていることが肝心だ。


あなたの周りににも似たようなことが起こってないか、今一度、見直してみませんか?