バネの疲れ線図について

 材料の疲れ強さを知るために疲れ試験が行われますが、
その最も単純な例は、ばねなどの部材に下図1の
ような平均応力σmを一定にして、
一定振幅応力けσaを繰返し加え、
何回繰り返すと破壊するかを調べることです。

図1
応力による疲れ線図

一般的には応力振幅に対して破断繰返し数を
片対数でプロットして結果を整理することが
多くこの線図をS-N線図と呼びます。
この線図は、下図2に示すように、
ばね鋼の場合ある応力振幅以下では107回でほぼ水平になり、
それ以下ではいくら繰り返しても破壊しなくなる。
このような限界を疲れ下限度、もしくは耐久限度と呼びます

図2


実際の設計に関して、許容応力の目安をつけるために
下図3に示す耐久限度線図が使用されます。
これは図示のように横軸に平均応力、縦軸に応力振幅をとり、
各応力の組み合わせで得られた耐久限度や時間強度
をプロットして得られる線図です。

通常は図のように両振り(平均応力=0)の疲
れ試験と片振り(平均応力=応力振幅)の
疲れ試験結果を結んで使用します。また同
図のように疲れ変形についてもプロットし
ておくと設計上非常に効果的に使えます。

図3
疲れ限度線図