責任と権限

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 木下です。

私がISOのコンサルタントとして伺っている運送屋さんでも
ISO9001が 2008年版が発行されたのに伴って以前作成した品質管理マニュアルの
見直しが始まりました。

まあ、総勢20名位の支店での取得だったので膨大な枚数の品質マニュアルに
ならないようもとから工夫していたのでチェックする箇所、変更に伴った整合性の
確認といっても大した作業はないのですが。

色々工夫した中でも他の会社の品質マニュアルとは確実に違うだろうという点の一つに
「責任と権限」の項目があります。普通の会社なら、各職名が羅列されそこに色々と権限の種類が書かれていると思いますがその会社の「責任と権限」はちょっと変わっています。
どんな内容とというと・・・


l  当支店の社員一人一人が責任を果たすことにより品質は支えられている。業務改善や問題を解決するための方策の提言をすべての社員にもとめ、この品質マニュアルに記載されている要求事項に基づいて業務を行うこととする。従って、品質活動の成果を向上させることは、すべての社員の責任である。

l  当支店の品質方針を全うする上でのすべての責任と権限は支店長に与えられている。また、各課長は、支店長を補佐する責務がある。さらに、各課長は、担当部門の品質に関わる実績の向上に対しての責任がある。

l  当支店のすべての社員はサービスの不適合を未然に防ぐために必要とするあらゆる権限がある。この権限には、品質上の問題を見つけ、記録し、解決策を提案し、解決策を実施・検証し、当社の製品とサービスが要求を満たすことを確認する手筈を整えることが含まれている。すなわち、品質に関わるならば、組織に関わらず柔軟に対処することが必要である。

l  当支店のすべての社員は役職・氏名を明記した「名札」を着用することで上記責任と権限を常に自覚し品質の向上を心がける。



責任の明確化といっても誰がどのような仕事をしているかを皆が知っているような規模の会社の場合
「これはだれだれの仕事だから・・・」といって担当者に振り分けるまでもなく気が付いた人が
迅速に対処することは当たり前に行われているはず。
その現状に合わせて作成した部分でした。

世の中にあるサンプルに従って無意味な一覧を作成するのではなく会社の規模
実状に合わせて作成したのであれば、このような内容であっても問題ありません。