素の紙展はじまります

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本日、日帰りで素の紙展の施工に行ってきました.

これは、越前和紙の漉き場が独自の商品デザインを提案する展示会で、プロトタイプの展示になりますが商品化をにらんだものになっています.
紙の漉き場は、以前は問屋の注文に応じてさえいれば充分仕事もありクオリティも高まりましたが、問屋の提案力が低下して価格競争だけになってしまった現在、自分たちからの発信が重要になります.
デザイナーが少し後ろから押してあげることにより、そのサイクルを作り出せないかと思い今回の展示は企画しました.


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和紙の壁紙は、何も加工していない和紙をそのまま壁紙に貼るもので、実際の施工見本は京都の吉見秀峰堂さんがしていただきました.
漉き場の既存のものや、柄の型を利用したものですが、和紙の風合いを活かしたものになっています.施工の方法をパンフレットにまとめており(会場で配布しています)、通常とは少し手間がかかりますが襖などでは一般的な技法になっています.


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また、透かしの技法を用いたカードやギフトボックスも展示しています.
カードはリボン(井上リボンさんのリボンです)を漉込んだものになっていて、まるでリボンで紙を編んでいるようになっています.

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照明はひっかけと呼ばれる技法を用いたもので、行灯タイプのものをデザインしました.こちらのベースはWORKSHOP GLOBEの多田羅さんに制作していただきました.これは、ベースを準備しておけば紙を変えることで、色々と表情も変わるし漉き場でのバリエーションの展開も容易です.
またLEDを漉込んだ和紙は、その配線が細くまるで光が紙の中に浮いているようです.用途開発ということで、コンパクトなアクセサリーライトを開発しました.


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その他にも、長尺の手漉きの和紙や樹脂を含浸させたものなど、漉き場での試行錯誤を展示したものとなっています.

12日には住宅建築家である丸谷さんのセミナーも開催されます.12日は私も会場に一日おりますので、ぜひお近くの方はご来場ください.