ブリコラージュなデザイン

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けんちくの手帖へ.駒井貞治さんの「借家生活」というテーマでした.
「建築をデザインする」ことに辟易した駒井さんが、借家を構造に触れないレベルで改造し、その部材を持って次の家へ引っ越すというプロジェクトを中心に建築というものを捉え直したお話で、非常に面白いものでした.

その場にある借家を自分に合わせる為に、身近なもので作り上げる手法を見ていて、ブリコラージュの手法だと感じました.イベント後雑談していると、元々建築はブリコラージュ的なものだったとの指摘がありましたが、現代の「キッチリ設計する」建築に比べるとかなりブリコラージュ的といえると思います.
プロダクトデザインでは、エンジニアリングの思考で構築され「寄せ集めて自分で作る:器用仕事」的な事を排除した事で成立していきました.しかしながらブリコラージュ的な考え方は、エコデザインの観点から「その場での生産と消費」する為の手法として有効だと思います(seccoなど)し、オルタネイティブで小規模なデザイナーメーカーの活動は、そういう傾向があると言って良いと思います.
そういう意味で、建築の世界ではこのような感覚が認知されつつあるのかもしれませんが、プロダクトデザインの分野では殆ど誰も知らない考え方なので、もっと掘り下げてみる必要はあるでしょうね.