伝統をデザイン

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3/31~4/1の日吉窯元まつりへ行ってきました.これは、京都女子大の裏手にある日吉地区の窯元が集まって開催する陶器市です.古くからの窯元が集まっている所なので、レベルの高い作品が多いのが特徴です.お世話になった方に挨拶をしながら、色々と回りました.

ここの陶器市はそれぞれの窯に直接入る事が出来、普段の仕事場に作品を並べて、作った本人が色々と作品の解説をしてくれます.
小さな家族でされている工房では、ウイリアム=モリスの意匠からヒントを得たり金文文字を使ったりしながらも、清水焼の雰囲気を守っている作品を製作していて、その作り方やデザインなど色々と作家の方から伺う事が出来ました.

以前に窯元の方にお話を伺った際にも、手作りである事、伝統工芸である事の意味合いが上手くユーザーに伝わっていない点が問題だと感じました.要は中国などで作られている安い食器(でも機能的には充分)のものとの価格の差がユーザーの立場で説明できない所です.
作品のデザインや機能性などを窯元の方は色々と工夫されていて、本当に面白い作品も多いのですが、そういうコミュニケーションのデザインが殆どなされていないので、それが伝わらないのかもしれません.
こういう陶器市で直にユーザーと接する機会があると、すごく良いコミュニケーションがとられているので、可能性は大いにあると思います.
一口にブランディングというコトバでくくる事も出来ますが、リソースも限られている中でより細かいデザインをする必要を感じました.

結局あれこれ悩みながら、いくつか器を安く買いました.使ってみると、良い器とそうでないものとの差は歴然です.