燃料電池車

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大阪府主催の新エネ産業エントリー講座に参加しました。
テーマは2015年に一般発売が迫る「燃料電池車(FCV)」です。

講師は資源エネルギー庁燃料電池推進室の高田氏、
トヨタ自動車(株)次世代車推進グループの三谷氏、
日本エア・リキード(株)水素エネルギー事業推進部の平瀬氏、
それとFCVに関連したビジネスを手掛ける中小企業を代表して
太盛工業(株)と(株)村上技研産業の社長がそれぞれ務められました。

なかでも興味深かったのが、トヨタ自動車の三谷氏の講演でした。
FCVに使用される水素は現状その大半が石油から作られており、
ならばガソリン車とどこに差異があるの?という疑問が出てきます。
三谷氏はこの疑問に対し、少し意外な視点で答えていました。
現状ガソリン車とFCVは税金を除いた燃料コストはあまり差がないそうです。
しかしガソリンは約8割が原料費で海外に流出してしまうのに対し、
水素の原料費は約2割にとどまり、残りの大半は国内に還流するとのことです。
つまり大半がアラブの石油王のポケットに消えていくガソリンと比較して、
水素は日本にとって付加価値の高い燃料といえるそうです。
新エネルギーに対しては、単純コストや環境への負荷にばかり目が向きがちですが、
こういう見方をしたことがなかったのでとても新鮮でした。

あと電気自動車(EV)との比較にも言及がありました。
いわゆるシステムコスト(自動車本体のコスト)は
一度の燃料補給で可能な実用航続距離が150㎞を境にして長くなれば、
EVがFCVを上回るそうです。
つまり新エネ車の棲み分けのイメージとして
近距離コミュータはEVの、中長距離用途はFCVの領域になり、
その間をハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が埋めるそうです。

講座全体を通して、FCV自体や水素ステーション等インフラの面でもケミカル系の課題が多く、
そんな中当社がどのような形で貢献ができるのかを考えないといけない、と感じました。
しかし将来性が高く、裾野も大変広い分野ですので、
ビジネスチャンスを粘り強く探っていきたいです。