オープン・イノベーション・カンファレンス

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大阪ガス(株)主催のオープン・イノベーション・カンファレンスに参加してきました。

「オープン・イノベーション」とは自社技術だけでなく、
他社が持つ技術やアイデアを組み合わせて、
革新的な商品やビジネスモデルを生み出す手法のこと。
ひとつの企業の中だけで研究開発を行っていく「クローズド・イノベーション」と比較して、
より幅広いアイデアの収集とコスト・時間の圧縮が期待されます。
ただ何でも自前主義の日本企業の間での拡がりはまだまだです。
そんな中、大阪ガスはいち早くオープン・イノベーションに取り組んできた、
いわば“オープン・イノベーションの先進企業”なのです。


まずは事前にインテックス大阪で開催されていた
「大阪ガス エネルギー&ビジネス創造展2012」を見学。



会場入口の様子

昨年も同様の展示会を見学しましたが、
従来のエコや省エネといった観点に加えて、
エネルギーの安定供給が大きなテーマになっていました。


続いてカンファレンスの第1部。
近くのホテルの大講堂での大阪ガス・オープン・イノベーション室長・松本毅氏による講演会。
“オープン・イノベーションとは何ぞや”といったところから、
大阪ガスのオープン・イノベーションに対する考え方や具体的な取組みについてご説明下さいました。
大阪ガスは新規事業の創造に大変熱心な企業で
その一例としてLNG(液化天然ガス)の生成技術から派生した
低温粉砕事業を紹介されました。
液体窒素の超低温(-196℃)を用いて粉砕すると、
粉砕時に発熱・酸化による変質がないため、
特に食品などの味や香り、栄養などが損なわれないそうです。
この技術を用いて商品化されたのがサントリーのチュウハイ「ストロングゼロ」だそうです。
(缶の表面に「-196℃」と書かれてますね)
同様に低温粉砕技術から生まれたごまのパウダーをおみやげとしていただきました。




カンファレンスの第2部はホテル内のレストランでの情報交換会。
参加者は大阪ガスとの協業を目指す企業にとどまらず、
オープン・イノベーションの仕組作りを学びに来ている企業や団体の関係者も数多く見受けられました。
講演の中で紹介されていましたが、
A・G・ラフリーは著書『ゲームの変革者』の中で
「イノベーションは人と人のつながりによってつくられるもので、
人がどのように話し合い、協働するかといった、人との関わり合い方がイノベーションの鍵であり、
単に技術の問題ではない」
と記しています。
今回のような多くの出会いを大切にしたいと思います。