品川隆幸の古今東西(14)列島見聞録~奈良編~

 奈良と言えば誰でも思い浮かべるのが東大寺盧舎那仏像、いわゆる大仏さんだろう。
「世界最大の木造軸組建築」と言われているが、巨大な鋳物である。
高温で銅を溶かし、外型と中型のすき間に溶けた銅を流し込んでいる。
しかし、これだけの鋳造技術は今の奈良には残っていない。
 
ただ、今も奈良に残された古の技術はある。
例えば酒もその一つ。
奈良がその起源だとも言われている。
平城京から出土した木簡には、様々な史実が記されているそうだ。
そんな奈良に伝わっている貴重なものに、「ものづくり」という言葉がある。
 
この「ものづくり」という言葉は大和言葉で、職人の高度な技術を表現するときに
用いられる。
ところが、現在では「ものづくり=製造業」という意味合いで使われることが多いが、
厳密に言えばこの二つの言葉は起源がちがう。
「製造業」は西洋の「Industrial Engineering」を訳した言葉として普及したそうだが、
その背景には単純作業で大量生産される工業製品を起源とする。
 
そこで、私はあえてこの古から使われている「ものづくり」という言葉にこだわりたい。
そして古都奈良には、そんな職人技の「ものづくり」が今も伝えられている。。。
 
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