1月18日の数字:前年対比55%減にチャンスはあるか

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前年対比で半減。
最盛期と比べれば実に1割。
落ちるところまで落ちたといえるオートバイ市場
だからこそ未来はあるのではないでしょうか。

自動二輪が売れない。「1982年に328万台あった国内出荷が38万台まで落ち込んだ(日経産業新聞2010年1月18日付17面)」という。28年かけて市場は、ほぼ12%弱にまで縮んでしまったのだ。

特に落ち込みのひどいのが、251cc以上の小型二輪車。これが前年対比では55%減となったようだ。ここまで市場が縮んでしまうのには、それなりの理由があるはずだ。どうしてオートバイは売れないのだろうか。

筆者も実は昔、中型二輪を乗り倒していた。大学への通学からバイト先巡りといった具合に走り回り、ついでにちょっとでも暇があるとツーリングに出る。そんな乗り方をしていたので走行距離は一年間で4万キロぐらいとなり、2年に一度は買い換えていた。

当時と今を比べてみると、確かにいろいろな面で違いがある。とりあえず町中ではバイクを停めるところがない。どこもかしこも駐車禁止である。

また記事でも指摘されているが、価格も高い。学生が必死でバイトすれば何とか手に入るレベルではあるのだろうが、彼らにとってはそこまでする価値はないのだろう。

しかし、何より昔と違うのはクルマが多いことではないか。だからバイクは非常に走りにくい。というか、現実問題としてとても危険だ。だから町乗り、あるいは単なる移動ツールとしてのオートバイの相対的な価値が低くなっているのだろう。

では趣味としての価値はどうだろうか。例えば休日にツーリングに出るといった楽しみ方だ。これもクルマの多さがネックとなって、あまり楽しめないようだ。しかも休日にはサンデードライバーが多い。余計に危ない。

といった悪循環がある上、ターゲットとなる年齢層の人たちにはオートバイ以外の楽しみがいくらでもる。こうした背景があるためにオートバイが売れないのだろう。

では、オートバイにもう未来はないのだろうか。

決してそんなことはないと思う。よく引き合いに出される成功事例としてハーレーの戦略がある。大型車で高額車のハーレーは、意外にも売れ続けているのだ。その理由は、ハーレーはハーレーならではの楽しみ方をユーザーに提供し続けていることにある。

確かにいま、オートバイにとっての道路環境は余りよいとはいえない。とはいえ、今売れていないということは潜在ターゲットがたくさんいることを意味する。楽しみ方を提案できれば、メーカーレベルでは苦しくとも販売店レベルでは勝ち残る方法はある。

カギはコミュニケーションである。そしてもう一つ、今年ホンダが電動バイクを発売することを考えれば、エコも強力な切り口となるのではないだろうか。