12月18日の数字:残るのは1番だけ

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クラウドで変わる競争環境。
その中で勝ち残るためには?

「規模が大きいほど有利なので、クラウドサービスで生き残る大手企業は1社になるかもしれない(日経産業新聞2009年12月17日付1面)」。こう語っているのはIIJの鈴木幸一社長。

続けて「米グーグルがその1社かどうかはまだ分からないが、先行したのは事実だ(中略)企業向けのプライベートクラウドでも米IBMだけになる可能性がある(前掲紙)」。

IBMのことは詳しく知らないが、グーグルなら少しは知っている。とりあえず、おそらく、世界一たくさんサーバーを動かしている会社だ。加えるなら、それだけ多くのサーバーを確実に動かし、検索を初めとするさまざまなサービスを提供する会社でもある。

しかもサービスはすべて、基本的に無料で提供してくれる。検索はもちろんGmail、GoogleDocs(マイクロソフトのWordとExcelとPowerPointみたいなソフト)、GoogleCalendar(オンラインスケジュールソフト)、GoogleReader(ブログを読むためのソフト)、翻訳に最近では日本語入力ソフトもブラウザーも、さらにはパソコンのOSまでも。

何でもまとめて無料で提供してくれる。ほとんどのサービスが、日本の普通のケータイでも使える。さらにはグーグルオリジナルのケータイ端末も出すらしい。さすがにこれはハード代はかかるみたいだけれど。

というぐらいに質量ともに圧倒的なサービスを無料で提供してくれるのがグーグルだ。中途半端な大手企業が束になってかかっていっても、絶対に勝てっこないのは素人にもわかる話。そこを鈴木社長は語っておられるのだ。

もちろん同社長のIIJだってネットサービスを提供している。むしろ「IIJは今で言うクラウドサービスを世界に先駆けて2000年からリソースオンディマンドサービスとして開始」してきたのだ。じゃ、IIJもクラウドの世界ではグーグルに飲み込まれてしまうのか、といえば、まったくそんなことは心配されていない。

なぜならIIJは、ネットワーク技術では世界一の水準を持っているから。もちろんありとあらゆる分野で1社しか生き残れないなんてことには、まずならないだろう。しかし、仮にグーグルを相手にしたとしても、何か一つだけ世界一の部分があれば十分に戦えるということ。

この話をブレイクダウンすれば、どこかに日本一の部分があれば、あるいは関西一、いや大阪一でも勝ち残ることはできる。鈴木社長の言葉にはそんな心強いエールが込められているのだと思う。