12月9日の数字:Googleの20%ルール

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またグーグルがとんでもないサービスを始めました。
日本語入力ソフトの無料配布、さて、その実力は?

例えば「とくがわ」と入力するとどうなるか。徳川家康以下、徳川歴代将軍の名前が変換候補として表示される。Googleが開発した日本語入力ツール「Google日本語入力」である。


普段はあまり意識されないのかもしれないが、例えばジャストシステムのATOKやマイクロソフトのIMEに相当するものといえば、おわかりいただけるのではないか。日本語は漢字に平仮名、カタカナを混ぜて使う言語であるため、ローマ字(ないしはかな)で入力した文字を変換する必要がある。

その変換作業をしてくれるソフトである。昔はFEP(Front End Proccessor)と呼んだのだけれど、最近はあまりそういう言い方はしないらしい。

ともかく、その日本語を使う人達にとっては決定的に重要なソフトをGoogleが開発し、しかも無料で配布し始めた。もちろんFEP自体はウィンドウズを買えば、最初から入っているソフトだから価格を意識したことはないだろう。しかしマイクロソフトにとってはそうじゃない。

あるいはATOKのような有料ソフトにとっては死活的な問題となる。なぜなら「Google日本語入力」は、極めて優れたソフトだから。キー入力の割り当て方や変換候補、あるいはATOKならではの学習機能などに好き嫌いはあるだろう。だから、誰にとってもGoogle日本語入力がベストだとはいえない。

しかし、大多数の人にとってGoogle日本語入力の方が使い勝手が良いと受け止められる可能性は高い。その理由は、辞書の語彙の豊富さにある。何しろ辞書として持っている語彙の数が、おそらくはATOKとは比べものにならないぐらい多いと推測される。

ATOKなどとは開発思想が根本的に異なり、その結果開発プロセスもまったくちがった形が取られたのが、Google日本語入力だ。つまり「グールルはネット上にある無数の言葉を「統計処理」でわしづかみにして、最先端の自然言語処理技術を学んだ人材が開発を担う(日経産業新聞2009年12月8日付3面)」のだ。

その開発に使われたのがGoogle特有の20%ルールである。勤務時間のうち20%の時間は自分の好きなことを自由にやっていてもよい、というもの。その20%の時間から生み出されたとんでもないソフトを無料で配布する。

Google恐るべし。