8月29日の数字:デジタルサイネージ、6年で1兆円市場に

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そろそろ流行り言葉となりつつあるデジタルサイネージ。
メディアとしての可能性は、どこまで広がるのでしょうか。
最近の隠れ流行り言葉が『デジタルサイネージ』。といえば、例えば山手線のドアの上のモニターが、それ。日本語では『電子看板』などと訳されるが、この言葉は今ひとつぴんと来ない。デジタルサイネージの本質を表せていない。

デジタルサイネージのポイントは3点に絞られる。一つは動画を放映できること。だから「看板」といった静的なイメージではフィットしないのだ。もう一点はネットワーク化されている(される可能性があるぐらいの表現の方が現時点ではふさわしのかもしれないが)こと。そして電源さえ確保できれば設置場所を選ばないこと。

この3点が従来のメディアとデジタルサイネージの際だった違いであり、可能性でもある。確かに屋外のありとあらゆる場所で使えるデジタルサイネージは、従来なら看板のカテゴリーに入るモノなのかもしれない。ただしデジタルサイネージは、看板のように店先においても良いし、店頭で商品の横に置いてもよい。コンビニで特売をかけている商品の横に小さなモニターが置かれ、その商品のCMが繰り返し流されているように。

あるいは駅にデジタルサイネージが、例えば等身大ポスターサイズで設置されたとしよう。当然、それはひときわ目を引く存在になるはずだ。そこで朝ならビジネスパーソン向けにウィダーインゼリーや眠気覚ましドリンクなどのCMをバンバン流す。

昼はおばさまたちに対して、近場のレストランのスペシャルランチをご紹介する。夜は仕事帰りの方たちに、マッサージでも飲み屋でもカラオケでも何でも良い。といった案配で自由自在に放映するコンテンツを変えることができる。ネットワークにつながっていれば、という前提条件はあるが、これがデジタルサイネージの最強の強みだ。

仮に駅に設置することを前提とするなら、地域によってコンテンツを変えることもできる。あるいは大学生がたくさん利用する駅ならとか中高生が相手なら、といった細分化も可能だ。変わったところでは(筆者が実際に見たことはないが)空港の女子トイレにも設置されている。それなりのコンテンツがあるものと想像する。

というぐらいに可能性を秘めたメディアがデジタルサイネージである。故に「富士キメラ総研によると、2008年のデジタルサイネージの市場規模は、649億円。だがパナソニックなど158社で作る『デジタルサイネージコンソーシアム』は『2015年に1兆円』」と野心的(日経産業新聞2009年8月28日付7面)」なのだ。