ビー・ゼン社長日記 vol.1(展示会用販促パネル制作 前編)

自社製品をアピールする場である展示会等でブースを飾るパネルや、イベント会場等で配るパンフレットには、製品を撮影した写真を使うのが一般的である。
しかし、撮影には適さない大きな機械や意匠等の関係で商品をそのまま撮影できない場合がある。
そこで考えられるのが、イラストや3Dソフトで作られた画像を使う案である。

先日弊社が制作し納品したパネルは、東京での展示会で使う各種包装をする大型機械の全体図であった。
しかしお話をいただいた時、既に機械現物は8割ほど組立られていたのだが、完成間近とはいえ機械全体を覆うカバーも無く、その機械の組立完成状態からすると、まだまだ制作途中の状態であった。

この時点ですでにイベントの開催日は決まっているので、完成を待っていては制作期間が取れない。
そのため、各部の色や質感に関しては、組立途中の工場に訪問し、取材で現物を確認させていただくことで対処し、機械を構成する各ブロックの配置や寸法については、全体組立図面をお借りしたうえでそれを参考に制作を進めていくことになった。
機械が完全に組立てられるのに合わせて、こちらの3D画像も同時に仕上げていくのである。

仕上がりサイズはA1(84cm×59cm)と比較的大きなパネルなので、描画する機械にそれなりの密度を持たせないと(細部までしっかり描き込まないと)機械的な重みも乏しく、見た感じ間の抜けた展示物になってしまうので注意が必要である。
しかし、組立途中では外観のイメージが掴めず、しかもパネル制作以外のスケジュールが優先されてしまうため、機械は完成と同時に試運転に入り、その後すぐに納品出荷となってしまうため、パネル制作作業にとって完成度を上げる唯一の材料は図面や写真の資料のみとなってしまう。

写真、図面の精度から考えても絶対の自信が持てず、合わせて制作期間は短いため、制作方法もしっかり考えなければならなかったが、大まかな配置は平面図面で取り、そこに取材した写真を頼りに主要な箇所を3Dで作りこんでいくことで進め、大きく引き伸ばしたA1サイズでつじつまが合うバランスを考えながらデータ化していく作業となった。

ここで別の問題がある。
・3Dで作られた画像はどうしても高価なイメージがある。
・価格は制作時間に比例する。

この2点であるが、どのように対処していったのか。。。後編に続きます。(福島)