8月11日の数字:販売台数、実に前年同期比7.3倍

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iPhoneが恐ろしいまでの勢いで売れている。
なぜ、こんなに売れるのか。その背景に読み取れるのは、ある確実なパラダイムシフトだ。

依然として恐ろしい勢いでiPhoneが売れている。個人消費は低迷、といわれる中でのこの伸び具合である。iPhoneがいかに魅力的かを、その売れ行きが証明している(日本経済新聞2009年8月10日付朝刊1面)。

確かに、いわゆるアルファブロガーの方たちもiPhoneを絶賛している。彼らが賞賛する理由は、iPhoneが劇的に生産性を向上させたから。すなわち、iPhone=エンターテイメント用ツールではなく、ビジネスツールとしての側面もあるわけだ。

『仕事をするのにオフィスはいらない』を書いたのはジャーナリストの佐々木俊尚氏。この本の中に紹介されているエピソードでは、Googleのエンジニアが海外などの出張時に持って行くのは、iPhoneだけだという。Androidじゃないのかという突っ込みは措くとして、iPhoneがあれば必要な仕事はほぼこなせると言うことなのだろう。

iPhone長者も生まれている。例えばあるゲームクリエイターは、iPhone用のゲームを開発して「アップ・ストア」で売り出したところ、一挙に1億円ぐらいの売り上げになってしまった。当然、勤めていた会社を辞め、ゲームクリエイターとして独立した。

しかも「アップ・ストア」は、恐ろしくハードルの低いショップである。登録料、わずかに99ドル。もちろんアップルの審査をパスしないとショップに登録されないが、まともなアプリケーションであれば、まずクリアできるはずだ。

これを「アップ・ストア」誕生以前のソフト開発者が置かれていた状況と比べれば、このジャンルでのパラダイムシフトが起こっていることがわかる。何が起こっているのかといえば、価値提供システムの低ハードル化だ。

すなわち優れた価値を創造できる人にとっては、その価値を提供できる手段が、以前とは比べものにならないほど簡単に手に入るようになったのだ。と考えればブログも同じツールとして考えられる。

ブログを通じて何か光る情報を発信する。おもしろい視点からの文章を書く。それが本当に光っていたら、おもしろければ、必ず誰かの目にとまる。そんな時代になっているのだろう。問われるのは、個人の力なのだ。

かくいう筆者もせっせとブログを書き続けてきたのが編集者の目にとまって本を出してもらえたり、日経BP社さんからコラム執筆の依頼を受けたりと、このパラダイムシフトの恩恵を受けている。個人零細商店にとっても、よい時代になったのだと実感する次第。