7月18日の数字:出荷量2割増

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伸びているマーケットには必ず理由がある
日本全体の市場が縮んでいく中で、年間ベースで2割も伸びているマーケットがある。遮熱塗料だ。遮熱塗料とは「特殊な顔料などを配合して太陽光の赤外線を反射させ、塗装面の温度上昇を抑える(日経産業新聞2009年7月17日付)」もの。
なぜ、このとてもニッチなマーケットが伸びているのか。その理由には、マーケティングを考える際のもっとも基礎的な要素・PESTが絡んでいる。すなわちPolitics(政治・法律)である。2010年4月から改正省エネ法が施行される。省エネ法は過去にも何回か改正を重ねてきていて、今回は事業所全体の省エネを強く求める内容となっている。これによって「企業は年平均1%以上のエネルギー消費量を削減する中長期計画も提出しなければならない(前掲紙)」のだ。
そこで手っ取り早く省エネするためのツールとして「遮熱塗料」が脚光を浴びているという次第。もっとも遮熱塗料はその母体となる塗料市場の中でまだわずかに0.2%に過ぎない。とはいえ、これをどう解釈するかが重要だろう。伸びシロは思いっきりあると考えれば、ビジネスチャンスはいくらでも広がる。
アメリカのニューフロンティア時代、金を求めて西部開拓に大勢の人が殺到したとき一番儲けたのは誰か。作業服を売ったリーバイスではなかったか。この例えを当てはめるなら「遮熱塗料」そのものではなく、関連ツールマーケットも伸びる可能性がある。あるいは、そもそも遮熱塗料が何のために必要なのかを考えれば、その代替マーケットだって見えてくるだろう。
ポイントは省エネに対する企業意識が今後、高まらざるを得ないこと。その起動力となるのが法改正であること。この二点だ。

ちなみにPestとは
Politics:政治、法律
Economy:経済=金融とか
Society:社会の大きな流れ=人口とか、格差かとか
Technology:科学技術=LEDとか電気自動車とか
がマーケティングには極めて大きな影響を与える要素だということです。