ものづくり企業訪問「株式会社 竹中製作所」

 ものづくり支援課からお届けする、ものづくり企業訪問記事第2弾は、先進の防錆防食技術で国内外の企業から信頼を得ている株式会社竹中製作所の工場を見学させていただきました。

 工場は、株式会社 竹中製作所 ボルト事業部 品質保証部長の寺町さんと総務部長の中尾さんに案内していただきました。

―きれいな工場、高度な試験設備

工場内画像 工場見学では、ネジの材料を切削や鍛造、熱処理や表面処理の工程などに加え、自社に備えられた高度な試験設備を見学させていただきました。工場内は、整理整頓が行き届いており、製造現場とは思えぬくらいきれいで、いわゆる3Kといった印象は受けませんでした。

※3K…主にブルーカラー(現業系、技能系)とされる職種について、仕事がきつい・汚い・危険ことを意味する。

 

―錆びないボルト「タケコート」
タケコート画像 竹中製作所の代表的な製品である、タケコートの加工現場も見学させていただきました。タケコートは、ネジに特殊なフッ素樹脂加工を施し、ネジを錆びなくさせる技術です。

 このタケコートの優れた防錆防食技術により、東京湾アクアラインや明石海峡大橋、原子力発電所などの使用環境が厳しく、高い耐久性や高精度な品質を求められる多くの現場で採用されています。

 ―タケコート開発の経緯

 ネジは金属でできていますので、普通は錆びます。錆びると破損し、構造物の破損や、ナットが外せなくなります。そうすると、ナットを破壊しなくてはならなくなり、メンテナンス上も非常に問題になります。
 以前、竹中会長がアメリカ海洋博の視察に訪れ、石油リグの見本を見たとき、あらゆる部品がフッ素樹脂でコーティングされていましたが、ネジだけが亜鉛めっき加工やステンレス製でした。そこで、ネジもフッ素樹脂加工すればいいのでは?と考え、竹中製作所では研究を開始。
 タケコートが完成した今では、タケコートの技術をあらゆる金属部品への応用が可能ではないかと考え、現在は、他社製品にタケコートを施す受託加工も受け付けています。
※石油リグ…海底から石油を掘削・生産するために必要な労働者や機械類を収容する、海上に設置される大きな構造物。
 
―品質にも人材にもこだわりを
 採用について、技術部門では、工学部出身の方を採用しており、加工部門では、工業高校出身の方で新卒を中心に採用しています。採用にあたり、特に開発部門では、こだわりを持った人材を求めています。企業として品質へのこだわりがありますので、やはり、こだわりを持って一生懸命やってくれる人材を求めています。
 
【企業概要】
企業名   株式会社 竹中製作所
代表者名 取締役社長 行俊 明紀
所在地   〒578-0984 大阪府東大阪市菱江178番地
設立    昭和10年11月1日
事業内容 機械工業及鋼構造物用ねじ製品の製造販売
       防錆防食用金属製品への表面処理加工
       電子機器製品の設計開発及び製造販売
TEL     06-6789-1555(代表)
FAX     06-6782-2053
 
【記事担当】
大阪府商工労働部商工振興室ものづくり支援課
製造業振興グループ 松原