フリーエージェント社会の到来

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 結構まえにstudio LのN上さんに勧められたフリーエージェント社会の到来を読みました.

最近は大学の金で本を買えるので本がたまる一方で、在庫の本はなるべく早めに読むようにしています.速読とかも試したけど、性格的に(もったいなくて)ダメのようです.

この本は元副大統領のスピーチライター(そういう職業があるのだ!)がアメリカでのフリーランスの働き方を実際に調査してまとめたもので、多様な仕事のあり方を浮き彫りにしています.

自分が会社を辞めた理由は色々とあるのですが、その一つがモノづくりの単位がITを利用してドンドン小さくなっていくことで「一人でメーカー」ができるのではないか、という仮説があったからです.
本の中にもありますが、生産の手段が個人で準備できるものであった時代(近代以前)では会社というものは存在せず、鍛冶屋やパン屋のように個人がそれぞれの職をもっていました.産業革命で機械化が進むと、工場の機械は個人で買えるものではなく資本家が投資をして設備を導入して、それを従業員に使わせることで会社というものが成立するようになりました.IT化がすすんで、そういった設備がまた個人で買える(若しくはレンタルできる)時代になったことを背景にまた仕事の単位が産業革命以前の個人の単位に戻る、という仮説を提示してその先駆けとなるデーターをこの本は示しています.

大阪万博の頃はガーンズバック連続体の様に「皆が共有できる目標」があり、企業はその目的に向かっていれば良かった時代です.現在はその「目標」を探すことが仕事になっていて、その仕事のあり方が大きく変わっています.
そういう状況に於て、組織の中にいようがいまいが「フリーエージェント的」な仕事の組み立て方は必要になってくるように感じました.

平行して読んでいたはたらきたいもその現象を裏から浮き彫りにしていて、興味深く読めました.(矢沢永吉の話が一番面白かった)

 

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