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ものづくり企業訪問「株式会社 ダイン」

2008/06/27 15:45
投稿者: ryoke カテゴリ:ものづくり企業訪問

株式会社 ダイン ロゴ ものづくり支援課からお届けするBMBの記事第1弾は、X線検査装置を開発されている株式会社ダインの寺岡さんにお話を伺いました。

 



現状、完成している製品はどのようなものでしょうか

GX55画像 現在、販売している装置は、透視観察タイプのものです。X線の映像は、物体を透過すると内部構造が重複画像になります。不必要な画像も見えてしまいますから内容をよく知っている人が見ればその画像がどのようなものなのかわかりますが、ソフトで良否を判断することができません。

GX85画像GX100画像 工業用X線装置の市場は、国内250億円くらいで、 規模が小さいのは自動検査が難しい、というのがネックになっています。

 現在の製品は、短い開発期間で製品化したものですが、今後、長期の開発期間を要する高速で自動検査ができる装置を作って、市場を開拓していきたいと思っています。

 ―現在、開発されている製品はどのようなものでしょうか

 現在、市場にある工業用X線装置は、単純な検査を除き、そのほとんどが製品を解析するためのもので、オペレーターが時間をかけて、入念に透過された画像を観察し、オフライン検査をします。
 そこで、生産過程ですばやく自動検査する装置を開発することを考えました。それができれば、生産部品の信頼性が向上し、また、生産歩留まりをアップすることができます。
 海外の携帯電話メーカーの話しですが、とても歩留まりが悪くて、10個作ったら、完成品としてできあがるのは7~8個とのことです。要は、20~30%は不良品として捨ててしまいます。生産数が大量ですから、不良品も大量となり、ロスが非常に大きくなります。それを、生産過程で検査ができて、歩留まりを5%でも10%でも向上できれば、とても大きな経済効果が上がりますよね。そんな性能を持つX線装置を開発したいのです。
 
課題は「技術の確立」と「コスト」
 光学式外観検査装置と同じような使い勝手のX線装置が完成すれば大幅な販路の拡大が期待できます。検査対象とするコンピューターや通信機器の高密度実装基板は、益々ブラックボックス化し、複雑になっています。
 一方、X線検査装置で、単純な検査を除き、自動検査ができる装置は、市場にまだありません。今の段階では、技術の確立は難しく、それがどうすればうまく、そして安価にできるかということに苦心しています。
 
開発は執着心!夢の中でも研究
 「開発とは、執着心!
 このターゲットを狙って開発したいという強い気持ちです。その気持ちを持ち続けていれば、お金と時間との兼ね合いもありますが、いつかは成功するだろうと思っています。また、そういうふうに自分の意識を高めています。
 開発している人に共通していると思いますが、例えば、日中仕事をしていて、どうしても課題を突破できず、壁に当たる。ところが、翌朝には解決している。それは、夢の中でアイデアが浮かび、解決しているのです。しつこさを持って意識を集中すれば、そのような作用もあると思います。
 
求める人材はスペシャリスト
会社の経営は、開発志向でやっていきたいと思っています。だから、組織を構成する社員には、固有技術を持った人がほしい。例えば、設計に強いとか、画像処理のソフトウェアに強いとか。やっている仕事に対してそれぞれが技術的な強みのある人でないと、規模の小さい会社は大手企業との競争に勝てませんから。人材を育てたり、集めたりするのは難しいことですけど、そんな、スペシャリストの集団にしたいです。
ただ、現在は、会社としても黎明期の段階なので、最小限の体制でやっています。道筋が見えてきたら、人材を補強していきたいと思っています。
 
起業のキッカケ
 経営資源が潤沢にある大企業の中で、開発業務ができるのもやりがいのあることです。
 しかし、自分にある程度のスキルが付いた段階で、独力で製品を開発し、市場を切り開き、組織を育てたいと思いました。楽ではないだろうけど、精一杯、自分の人生を燃焼したいと思って、40代半ばで独立したのです。
 会社のネーミングをダインとしましたが、これはエネルギーの単位です。今は工業用X線装置を開発・製造していますが、エネルギーとか環境にも興味があって、自分に力がついてきたら、そういった分野にも進出したいと思っています。
 
行政に対して
 ベンチャー企業を起こして、まず苦労するのは運営資金の獲得です。
 公的金融機関とか銀行融資による、ある程度の支援はあります。しかし、事業基盤が確立されていない状態で、運転資金として融資を受け、毎月、元金と利息を返済するのは非常に厳しいものがあります。
 例えば「育成融資」として、元金の支払いは3年間据え置くとか、あるいは純資産が少なくても、私募債を引き受ける、等の制度があれば、創業したての企業としては非常に助かります。
 今後、経済を活性化するためにも、ぜひ検討していただきたいことです。
 
取材後の感想
 今後、開発中の製品が完成すれば、今の市場にない製品であるので、企業としてさらに大きく成長することとなるでしょう。これからの活躍に大いに期待したい企業です。
 
【企業概要】
企業名   株式会社 ダイン
代表者名  代表取締役 寺岡 璋
所在地   〒594-1144 大阪府和泉市テクノステージ3丁目1番11-RF102
設立     平成17年1月11日
事業内容  エックス線検査装置の開発、製造、販売
TEL      0725-90-7287
FAX     0725-90-7288
 
【記事担当】
大阪府商工労働部商工振興室ものづくり支援課
製造業振興グループ 松原
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