「夕刊フジ」に、掲載いただきました

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本日、9月27日(木)夕刊フジ「神内治の新大化け前の関西中小企業」のコーナーに、村上紙器工業所を掲載していただきました。
弊社初の「マスコミ・デビュー」です。

タイトルは、「中身に勝る箱手作り」。
ちょっとカッコよすぎるタイトルで、実態がなかなかついていけていない分、恥ずかしいです・・・。

しかし、この記事に負けないように、これからも「商品の価値を高める箱」を作っていきたいと思います。
皆さん、宜しくお願い致します。

記事内容は、以下の通りです。
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従業員5人以下の零細企業が大半の業界で、生き残るための命綱は高付加価値。手づくりのこだわりパッケージで新たな販路を拓く「箱屋」。

貼箱——ボール紙で箱の形をつくり、その上から紙や生地素材などを貼ってつくるパッケージ。和洋菓子や化粧品、ブライダル関連などの高級化粧箱として使われることが多い。

村上紙器工業所は、その貼箱のメーカー。従業員はパートを勘定に入れても6人だが、ほとんどが5人以下の零細企業という業界では平均的規模だ。
「大きなところから下請けとして仕事を受ければ、ロットは多くなりますが、単価が安く、機械化しないとまったく採算が合いません。かといって機械を入れると、それを動かすために、原価を割るような安い仕事も受けないといけない。

それではと、規模に合わせて少ロットの注文ばかり受けていても、しょせんは箱ですから、そう大きな利益が上がるわけではありません。実際、ここ数年は、後継難で廃業するケースが増えています」

貼箱業界の現状を説明する村上誠さん(44)は、村上紙器工業所の3代目。1952年に祖父が創業した貼箱製造業を、2005年に父から引き継いだ。しかし、バトンを渡されたものの、自身がいうように、業界の現状は厳しい。
「これまでは何とかなってきたが、だんだん利益が出にくくなっている」という状況を打開するために、村上さんが選んだのが、培ってきた技術を活かした「高付加価値のパッケージ」だ。

例えば、型抜きをしたボール紙を組み立て、箱のフタ部分をつくるとき、通常はコーナーを止めるのにテープやワイヤーを使う。が、そうすると、紙を貼ってから跡が浮き出てしまう。そこでテープもワイヤーも使わなくてすむ構造を工夫した。
工程はほとんど手作業。機械は、紙を接着するためのニカワを均一に薄くのばすのに使うだけだ。

この技術が見込まれ、昨年9月、大手化学メーカーから分析器具のパッケージに、という案件が来た。ほぼ1年がかりで開発に取り組み、今年9月初めに出荷した貼箱は、高級感だけでなく、中身を守る保護性能の高さが特徴。
しかも、素材のボール紙はほぼ100%リサイクルされた古紙で、貼っている紙も古紙が50%、ケナフが20%。接着剤のニカワも天然素材で、環境に対するやさしさにも評価が高い。

また、あるハイエンドユーザー向け高級オーディオのメーカーでは、CDのデジタル信号伝送時のノイズを除去する製品の箱に採用された。表面に貼ったの は、レザーのような黒い紙。そこに同じ黒の箔でロゴを打ち、コントラストの違いで見せるデザインは、箱そのものが商品になるのではないかと思うほどだ。

「まず、パッケージが、その商品を選ぶ要素になります。中に入っている商品を使ったあとも、その箱が他の用途に使われることで、そこに記載されている商 品やメーカーのロゴが目にふれ、PR効果を発揮します。そして何より、パッケージが中身の商品そのものの価値を上げることに役立つのです」

単なる包装資材とは違う価値を見いだしてもらえれば、と村上さんはいう。貼箱が「しょせんは箱」という価値観を完全に超えたとき、村上紙器工業所は間違いなく大化けするはずだ。

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大阪市北区の扇町インキュベーションプラザMebic扇町で開催される「この街のクリエイター博覧会2007」(会期=10月2日~12月21日)で、村上紙器工業所の貼箱が展示される(展示期間は10月2日~12日、16日~26日)。