残念なロボットを増やさないために!

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某書店より入荷の知らせがあったので、ロボットデザイン概論を取りにいきました.
ざっと読みましたが、かなり良い本です.

内容は、ロボットのデザインという以前にデザインやデザインのプロセスそのものを丁寧に解説してあり、その上でロボットのデザインを論じてあります.著者の園山さんは、エンジニアやデザインの勉強を始めた人に読んで欲しい、と言われていましたがまさに教科書的な内容です.
デザイン(特にプロダクトデザインの分野)のプロセスというものは我々デザイナーは何気なく行っていますが、実際にはそれほど体系立ったものもなく、書籍も少ない分野です.この本はかなりその部分も細かく解説してあり、実践的な内容です.
また、何よりロボットのデザインを、単なるスタイリングや象徴的な意味ではなく、人間との関係性の中で形成されるより広い意味のあるものである、というメッセージを非常に解りやすく説かれています.だからこそ、ロボットのデザインは、美大を出た人間だけではなくエンジニアなどの総合的な知識を持った集団の個々にその必要性があるということがよく解ります.


とりあえず、書店から某美大の授業に向かいましたが、冒頭1年生に対してこの本を勧めて、ついでにロボットのデザインの面白さを伝えました.若いデザイナーがロボットのデザインに具体的な興味を持ってもらえれば、この本の意義があるといえるのでしょう.